腰痛なのは反り腰だから?

腰が痛くなるのは、反り腰だから。そんなふうに思っていませんか?
私が以前ひどい腰痛に悩んでいた頃、「腰痛=反り腰が原因」という固定観念がありました。そのため、意識して腰を丸めるようにしていたのです。
ところが、実際に自分の姿勢を見てもらうと、言われたのは「反りがない、まっすぐなタイプ」ということでした。
自分が考えていたのとは逆で、私の場合は腰を丸めることで、かえって痛みを悪化させていたのです。
腰のカーブと骨盤の傾き
腰の部分にある背骨(腰椎)は、横から見ると緩やかに前方へカーブしています。このカーブを腰椎前弯(ようついぜんわん)といいます。
腰椎の下には骨盤があり、骨盤が前後に傾くと、その上にある腰椎のカーブにも影響します。
一般的に、骨盤が前傾すると腰椎の反りは強くなり、後傾すると反りは少なくなる傾向があります。

腰椎のカーブには個人差があります。反りが強い人もいれば、反りが少ない人もいます。
では、反りが強いと腰痛になりやすく、反りが少ないと腰痛になりにくいのでしょうか?
実は、そう単純なものではありません。
反りが強い場合は、腰の関節や周辺組織に負担が偏ることがあります。一方、反りが少ない場合も、腰や骨盤周辺の動きが制限され、別の部分に負担がかかることがあります。
もちろん、腰椎のカーブだけで腰痛の有無が決まるわけではありません。大切なのは、カーブの強さだけを見るのではなく、骨盤や背中など、身体全体がどのような位置関係になっているかを考えることです。
見た目だけでは分からない姿勢もある
ここで知っておきたいのが、スウェイバックと呼ばれる姿勢です。
スウェイバックは、骨盤が前方に移動して後傾し、胸郭(胸まわり)は骨盤より後方に位置するような姿勢です。さらに、頭が前に出る傾向もあります。

この姿勢は、一見すると腰が反っているように見えることがあります。しかし、実際には腰椎の反りが少なくなっている場合もあります。
つまり、見た目の印象だけで反り腰かどうかを判断するのは難しいのです。
腰のカーブだけを見るのではなく、骨盤、背中、頭の位置まで含めて観察する必要があります。
楽な姿勢が、負担の少ない姿勢とは限らない
普段、自分がどんな姿勢で立ったり座ったりしているか、意識したことはありますか?
骨盤が後ろに倒れ気味だったり、身体が左右どちらかに傾いていたり、自分では気づかなかった姿勢の偏りが見つかるかもしれません。
こうした姿勢は、本人にとっては自然で、むしろ楽に感じることもあります。
特に重労働をしたわけでもないのに、肩や腰がつらい。そんな方は、普段の姿勢や身体の使い方に、負担の偏りが隠れているのかもしれません。
例えば、いつも同じ側に体重をかけて立つ、イスに座るときに骨盤を後ろに倒す、長時間同じ姿勢で過ごす。こうした習慣が続くと、身体の一部に負担が集中することがあります。
大切なのは、無理に背筋を伸ばしたり、理想的な姿勢を保ち続けたりすることではありません。
まずは、自分の姿勢の傾向を知ること。そして、同じ姿勢に偏り過ぎず、立つ・座る・歩くなど、身体を動かす機会をつくることです。
腰だけでなく、身体全体を見る
骨盤の位置は、腰椎だけでなく、背中や首、頭の位置とも関係しています。
腰がつらいからといって、腰だけに注目していては、身体全体のバランスや姿勢の特徴を見落としてしまうことがあります。
腰痛の原因は一つではありません。反り腰だから、骨盤が後傾しているからと、姿勢の一部分だけで決めつけることはできません。
まずは自分の姿勢の傾向を知り、身体全体のつながりや普段の動き方にも目を向けてみましょう。
腰痛を考えるときの第一歩は、自分の身体を知ることなのかもしれません。
次回は、骨盤の前後の傾きに続いて、左右の傾きに注目してみます。
