ネックは背中だった

前回は、頭が前に出ることで頚椎のカーブが小さくなり、ストレートネックにつながるという話をしました。
では、頭が前に出たら、身体全体はどうなるのでしょう?
実は、首だけが変化するとは限りません。
身体は、頭・首・背中などを別々に動かしているわけではありません。
今回は、ストレートネックと「背中」の関係について見ていきましょう。
頭が前に出ると、身体はどうなる?
頭が前に出れば、身体の重心も前へ移動します。
そこで身体は、全体のバランスを取ろうとします。
イメージしてみてください。
上半身の一番上にある頭が前へ出れば、そのままでは身体全体が前へ倒れてしまいます。
そこで、背中側を後ろへ引くように姿勢が変化します。
その結果として、胸椎(背中の骨)が丸まり、いわゆる「猫背」に近い姿勢になることがあります。
つまり、
頭が前へ
↓
身体の重心も前へ
↓
バランスを取るため、背中側が後ろへ
↓
胸椎が丸まりやすくなる
という関係です。
もちろん、実際の姿勢はこんなに単純ではありません。
もともと背中が丸まりやすい人もいれば、背中の動きの変化に合わせて頭の位置が変わる人もいます。
頭と背中は、お互いに影響し合っているんですね。
背中が丸いと、頭も前に出やすい
ここまで読んで、
「じゃあ、頭が前に出るから背中が丸くなるの?」
と思うかもしれません。
実際には、必ずしも一方向ではありません。
背中が丸まった姿勢が続くことで、頭の位置が前へ変化することもあります。
つまり、
「頭が前だから背中が丸い」
だけではなく、
「背中が丸いから頭が前に出やすい」
ということもあるわけです。
首と背中は、それぞれが独立しているわけではありません。
だからこそ、ストレートネックを考えるときも、首だけを見るのではなく、その下にある胸椎まで含めて考えることが大切です。
丸まった胸椎を起こしてみる
では、丸まった胸椎をそのままにせず、元の位置に戻すことを考えてみましょう。
胸椎が起きてくれば、胸郭の位置も変わり、前に出ていた頭を後ろへ戻しやすくなります。
ここで意識したいのが「胸骨」です。
胸骨は、胸の真ん中にある骨。
肋骨を介して胸郭をつくっているため、胸椎の動きとも関係しています。
胸椎そのものを意識するのは少し難しいので、胸骨を目印にしてみましょう。
胸骨を斜め上へ
イスに座って、肩の力を抜きます。
胸の真ん中にある胸骨が、斜め上前方へ軽く引っ張られるようなイメージで、胸をふわっと開きます。
ポイントは、腰を反らないこと。
「胸を張る」というより、胸骨が斜め上へ引っ張られて、胸のあたりが自然に広がるような感覚です。
数秒キープしたら、ゆっくり力を抜きます。
背中を無理に反らす必要はありません。
丸まった胸椎を起こし、頭の位置も戻しやすくする。
まずはそんなイメージで試してみてください。
首だけを見ない
今回は、ストレートネックと胸椎の関係について見てきました。
頭が前に出ることと、背中が丸くなること。
どちらか一方だけが原因とは限らず、お互いに影響し合いながら姿勢が変化することがあります。
だから、ストレートネックだからといって、首だけを何とかしようとする必要はありません。
その下にある背中まで含めて身体を見ると、また違ったものが見えてきます。
では、背中が丸くなった状態のとき、私たちはどうやって前を向いているのでしょう?
次回は、もう一度「首」に戻ります。
